10ヵ月身長
男児 67.8(3パーセントタイル値)-72.6(中央値)-77.2cm(97パーセントタイル)
女児 66.9(3パーセントタイル値)-71.0(中央値)-75.2cm(97パーセントタイル)
10ヶ月体重
男児 7.46(3パーセントタイル値)-9.03(中央値)-10.26kg(97パーセントタイル)
女児 6.87(3パーセントタイル値)-8.36(中央値)-10.11kg(97パーセントタイル)
(太田市保健センタ-)
10ヶ月健診
[はいはい]
8~9ヶ月→クロ-ル、 11ヶ月→creep(手と膝で這う)、 12ヶ月→高這い(手と足で這う:熊這い)
[座位]
7ヶ月→支持なしですわれる、8ヶ月→座って自由に両手が使える、10ヶ月→体をねじってものが取れる
[立位]
7ヶ月→足を床面につけて体重を支えられる、8ヶ月→支え立ち可能、9~10ヶ月→物につかまってたつ、11ヶ月→つたい歩き、12ヶ月→ひとりで立てる
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[物のつかみ方]
[shuffling baby]
はいはいをせず、座位のまま下肢をこぐようにして移動する児を呼ぶ。懸垂姿勢にして立たせようとしても下肢を引いて空中に留まり、 足を床につけたがらない。はいはいをしないままつかまり立ちをすることが多く、歩行開始は1歳半から2歳とやや遅くなる。発達障害がないか経過をみる必要がある。正常児にもみられるが発達障害の児に頻度が高い印象がある。
[知的発達]
模倣動作が可能になる。「バイバイ」「おてパチパチ」などまねをする。また母などに後追(愛着形成)や人見知りが始まる。
[言語発達]
「ママ」「マンマ」などまねができるようになる。また興味あるものへ指差しが始まる。
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(太田市保健センタ-)
***視力測定にはSVS(自動判定機能付きのフォトスクリ-ナ-)が使用されるようになってきているが近視・乱視・不同視の疑陽性に注意。
[9~10ヶ月の異常所見]
- お座りしない。
- つかまり立ちしない。
- 手を伸ばして"おもちゃ"を取らない。
- つかみ方がおかしい(拇指と人差し指・中指の2本でつかむのが普通)。
- 片方の手をつかわない。
- 下肢を着かない(shuffling baby)。
- 反応が鈍い、追視しない。
- 呼んでも振り向かない。
- つま先立ちする。
- つかまり立ちさせようとしても足をつきたがらない→広汎性発達障害、精神遅滞の可能性を考慮して経過観察。
前川、青木: 今日の乳幼児健診マニュアル,中外医薬社、1997 改変引用
[フロッピ-インファントの特徴]
- flog leg position
- traction response の消失
- scarf sign
- double folding posture
- loose shoulder
- vertical suspention
- 筋ト-ヌス ①consistency:弾力感がなく柔らかい ②flappability 関節の振れの度合いが亢進している ③extencibility いずれの関節も過伸展。
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[発達障害児の特徴的行動]
- 自己刺激行動・感覚遊び→身体を揺する、頭を壁に打ちつける、手を噛むなど
- つま先歩行
- シャッフリング
- 感覚過敏と感覚鈍麻→鳴き声が苦手、砂に触れない、あるものに異常に怖がるなど。また冬でも半そで、熱い風呂も平気などの感覚鈍麻
- 極端な偏食・異食→白いご飯しか食べない、紙など食べてしまう
- 感情の変動→急に笑ったり怒ったり、感情がすぐ行動になってしまう
- こだわり→決まったタオルをもっていないと気が済まないなど
- 四つん這いをしない→座位の時期からすぐに立位になる
- 一度出ていた言葉を全くしゃべらなくなる
- クレ-ン現象→相手の手をとって欲しいもののところにもってゆく
- 手掌を自分に向けてバイバイする→部分模倣、全体の意味がわかっていない
- ワンパタ-ンなごっこ遊び
- 多弁→よくしゃべってさまざまな単語が出るが会話にならない
- 人にべたべたくっつく
- マイペ-ス
- 集団に入れない
- 【乳児期】睡眠リズムの障害(生後3-4ヵ月以降に昼夜の区別がついていない、夜中頻回に起きる等)、這い這いをしない、 表情が少ない。
- 【1歳頃】言葉の理解が乏しい、指さし、ものまねが少ない、バイバイをしない、視線が合いにくい 睡眠障害。
- 【2歳】視線が合わない、言葉の遅れ、こだわり、パニック、自傷、睡眠障害、集団に入らない。
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[離乳]授乳・離乳支援ガイドから
- 「なめらかにすりつぶした状態の食物を初めて与えた時」を離乳開始とする。おおよそ5ヶ月前後となる。
- 離乳開始前の果汁は接種過剰による低栄養・過剰摂取の問題があり、現在はその意義はみとめられていない。
- 離乳開始前にスプ-ンに慣らす必要はなく、果汁・野菜ス-プ・重湯等は離乳開始前に与える必要性はない。
- 離乳の開始1ヶ月は1日1回→1ヶ月を過ぎた頃から1日2回、生後9ヶ月頃より1日3回が目安。
- 離乳期の母乳回数は離乳開始後1ヶ月頃より3回→生後9ヶ月からは1日2回程度、同時に鉄分の不足から生じる貧血には注意する。
- 離乳の完了は概ね生後12ヶ月から18ヶ月頃となる。離乳完了の時期の間食は1日1~2回を目安とする。
- 母乳または育児用ミルクは離乳の進行状況に応じて与える。離乳の完了は母乳または育児用ミルクを飲んでいない状態と定義。
- タンパク質製品は魚・肉・豆腐・卵または乳製品から開始、穀類はおかゆから始める。
- 新しい食品を始めるときは1さじづつ与え、乳児の様子をみながら増やしてゆく。
- はちみつについては乳児ボツリヌス症の発症を考慮して満1歳までは使用しない。
- フォロ-アップミルクは、母乳または育児用ミルクの代替えにはならない。
- 食育(楽しくみんなで食べる)に心を配ること。予定どおりに進まないことを心配する必要はない。
[食物アレルギ-と離乳食]
- 離乳の開始時期を遅くしても食物アレルギ-の発症は予防できない。むしろ遅くする方がアレルケン感作を促進。
- 妊娠中や授乳期の食物除去は発症予防の効果はない。
- 母乳栄養とアレルギ-疾患発症との関連性については結論が出ていない。
- 授乳中の母親および児に対する食物除去の安易な指導は行うべきでない。
- 母乳しか摂取していない児にも食物アレルギ-が見られる。経皮的または経気道的あるいは母乳を介しの食物抗原感作が原因と考えられる。
[乳児湿疹の考え方]
- 脂漏性湿疹・新生児痤瘡・アトピ-性皮膚炎・接触皮膚炎(おむつ皮膚炎など)・食物アレルギ-・カンジダ症など多様な疾患があり鑑別が難しいことがある。。
- 湿疹・アトピ-性皮膚炎の発病経過による診断の目安について
- アトピ-性皮膚炎には高率(33~63%)に食物アレルギ-の合併がみられる。
- 皮膚炎を早期に治療し保湿剤等で皮膚のバリア機能を保持することが食物アレルキ-の抑制につながる。
[予防接種の確認]
- 10ヶ月までに済ませておくべき予防接種(B型肝炎、ヒブ、プレベナ-、四種混合、BCG)を適切に受けているかどうか確認する。
(予防接種ガイドライン 2018より改変引用)
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